「ありのままの自分」の考え方 ~本当の意味での 手放す とは~

こころの処方箋

ありのままの自分を生きましょう
本当の自分を生きるには

ここ数年よく聞くフレーズです。

日々を生きづらく感じやすい人にとって
ありのままの自分、と聞くと
伸び伸びと、自由なイメージなのではないでしょうか。

何かに縛られ、枠の中から出ることができない
良く分からないものが心にまとわりついて、逃げることができない感じ。

そういう感覚で生きていく日々は
肩が重いような
胸が詰まるような
そういう感じで。

特に大きな問題がなく毎日を過ごせているようで、どこか辛い。

1週間が終わり、振り返ると少し虚しく感じてみたり
そんな自分を好きになれなかったり。

そんなときに「ありのままの自分」「本当の自分」と聞くと
「そうなれたら、きっと今の毎日が変わるだろうな」
と思えるものです。

カウンセリングやコーチング、コンサルなどの個人セッション、
様々な講座。
こころの学びを通して、今の変わりたいと感じている自分と向き合う。
そして気づきが訪れ、変化していく。
それはとても素敵なことだと思います。

ただ、1つ気になるのは。
「そうだ!これこそが本当の私だ!」
の後です。


先日も、クライアントの方に大きな気づきが訪れるシーンがありました。

他の方からもセッションを受けたり、たくさんの学びを受けてきた方でした。

その事実を聞く前から
その方がずっと自分や自分の過去と向き合ってきたことが分かりました。

しかし、そもそもが、何かおかしい。
話し始めてすぐ、その違和感を感じました。

マイナスなことを口にしている割には
過去を乗り越えたから、というだけではないものを感じました。

そもそも、自己理解がズレているような。。。。
どうも、エネルギーがそっちには見えない。

そこで、問いの内容を大きく変更してみたところ。。。

最初のテーマが「やりたいことに自信がなく踏み出せない」
であったにも関わらず

「やりたいことは絶対やる意志が強い人」であり
むしろ幼少期は「親の言うことを聞かない、勢いのある子」だったことが判明。

「あなたは言っても聞かないから」
とまで言わせていた、と本人が言い始め。

本人があんぐりと口を開ける結果に。

子どもの頃のことをすっかり忘れていて
「やりたいがあっても、反対されると引っ込めてしまう勇気がない人」
だと、自分のことを勘違いしていた、と気付きました。

むしろ、やらないことの理由は
「ほらみろ、できなかった」と言われることが悔しくて耐えられない、であり
とても気丈な性格が原因だったということが分かりました。

大笑いになったのが。

旦那さんが反対しなかったため、
実はやりたいことをたくさんやりつくしてきたここ数年であることにも
気付けていなかった、ということでした。

そして、一言。

「そうだった!私はそういう子でした!!
なんで自分のことを勘違いしていたんだろう??
考え方を改めます!」

とても晴れやかにおっしゃいました。

「本来の自分に気づく」

それだけならば、これで終わりだと思います。

良かったですね。
気付けましたね。
変われますね。

でもそこには実は落とし穴があります。

マイナスに見えるものであれ、それは価値観であり、
その価値観を身に付けたのは、自分の心を守るためです。

その価値観をゴミのように捨てるのは、私はオススメしていません。

春夏秋冬、日本には四季があります。
ある時を境に、「春」が主になったとして。
もういらないからと半袖や防寒着を捨ててしまったら
暑い日や寒い日に対応できなくなります。

こころを変える、はたとえ大きな気づきがあっても
一朝一夕ではありません。

基本姿勢が変わっても、時々癖が出てきます。
もしもその癖を「悪いもの」とみなしてしまったら
癖が出る度に「またやってしまった!」と
自分に対してマイナスなイメージを持ってしまいがちです。

そういう自責はエネルギーロスであり、
「やっぱり私は変われない」
という自己肯定感を下げるものになってしまいます。

では、どうすればよいのか。

どうか、今まで自分を守ってきてくれた「癖」に
感謝してあげてください。
そして、脱いだからと言って捨てずに
片隅に飾っておいてください。

今まで私を守ってきてくれて、ありがとう。
ちょっと脇で見守っていてね。
もう多分、そういうことは起こりそうにはないけれど
いざというときには、頼りにしてるよ

そのくらいの感覚でOKです。

お守りとして側に置くことを否定しないことが
その「癖」を本当に手放せた状態を創るコツです。

こだわるからこそ、気になるし、引っ張られる。
全てきれいになくそう、としなくても、自然に抜けていくのが
本来の「手放す」という形です。

完璧主義の人ほど、全部なくさないと、と考えやすい傾向があります。

本当の自分を生きる。そのためには。

本当でなかった自分を大切にする
今までの自分を肯定することが大切です。

このことをお伝えしたところ
「確かに!今までそういうこと、よくありました」
と頷いてありました。

まずは気づくこと。
そして、今までの自分を労わること。

これができてこそ、変化のスピードを上げることができます。

このコツをあなたのものにして
自分に優しくあれる毎日を
過ごしていただけたらと思います。




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